- February 20, 2014
寺山修司って、どうしたらあの色を忘れて上演出来るのだろう。
もう大分年月は経っている筈なのに、それでも多くの団体が尚上演形式に捉われているというのは、
良い意味でも悪い意味でも凄い射程距離を持って作られたのだと思う。
本人がそれを望んだかはさておき。
それを払拭させるには、それこそ100年必要なのではないか。と思った。
100年経って帰って来るものは、それこそ冷静さなのかもしれない。
以前、世田谷パブリックシアターの企画で唐十郎には手をつけた。
「ふたりの女」という戯曲。
勿論存命の唐さんという事では有ったが、それでも戯曲からは何かある種の粘り強さの様な物を感じた。
それは多分似た種の質感をしているかもしれない。
作品の方向は違うかもしれないけれど。
ともあれ寺山修司は中々手をつける事に躊躇すら憶えるけれど、
もしもその冷静さを手にする事が出来るのだとしたら、携わってみたい作品の1つでもある。
とまあそんな事を考えた。
「射程距離」というのはひとつの物差しであり、
何処迄届くのかという点は寺山さんの時間軸という観点だけでなく、とても興味深い。
例えば先日の日韓作品も、日韓の問題をテーマにした事自体は良かったけれど、
作品の意味合としてそれ以外の国での上演という事迄作品は及んでいなかったかもしれない。
それはひとつの反省点でもあり、
今年も予定している日韓作品にはもう少し広い射程距離(この場合は時間軸だけでなく地域的な射程距離も有る)を持って臨みたいなあと考えている。
とまぁこんな事をツラツラと急に書いてみたけれども、これが今年初の此処に書くエントリーとなった。
あけましておめでとうございます。
今は何をしているかと言えば、REVO TRAPというタップダンスのデュオへのステージングの準備。
何をするかと言えば、ステージングと言うか、演出協力的な事。
こういうみせ方はどうか、これだとこう見える、というアプローチ。
もう少しで暫し東京を離れて、兵庫県立芸術文化センターにてたったの1ステージ。
タップにギターにピアノに琴。
勝手判らぬライヴにて、試行錯誤します。
お近くの方、是非。
2014年3月9日(日)15:00
兵庫県立芸術文化センタープロデュース
[REVO TRAP new version]
at 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
・出演
REVO TRAP(RON×Ⅱ 浦上雄次)
ギター 鈴木直人
ピアノ 鈴木鋭治
筝 片岡リサ
・スタッフ
ステージング 長谷川寧