- April 18, 2013
4/11 Delhi/India Day1ー2
1-2時間程寝ただろうか。
ふと眼を覚ますとサヴィータの旦那のビピンが、今は暑いのでもう1時間程寝た方が良い、と。
疲れていたのかまだまだ寝れた。
遠くから聴こえる唄声を聞きながら寝るのは心地良い。
15時前後に起きてシャワーを浴びると大分スッキリとする。
平気で最高気温が35℃を叩き出したりする物の湿気が無い分日本より楽かもしれない。
起きて夫妻とメトロへ。
TrabelCardという日本で言うSuicaの様なパスを買う。100ルピー(200円程度)で、50ルピーはデポジットで戻って来る。
1駅なら8ルピー(16円)位か。
これじゃあ日本の料金が馬鹿馬鹿しく映るだろう。
それにしても此処ではセキュリティが多い。
メトロに乗るのにもゲートを潜り荷物チェック、舞台を観るのにもチェック(これは今日観たのが学校だったからかもしれないけれど)。
毎回空港の様なチェックが有る。
まぁ空港よりはラフだけれど。
で、着いたのは夫妻の通っている(いた?)、
NSD(National School of Drama)と言う養成所?の様な施設。
専門学校に近いのかな。
かなり広い校内。
多分それなりにエリートの学校なんじゃないだろうか。
今日は此処の野外で行われる学生の舞台を観に行こうと言う事になったのだ。
まずは学校の近所に居たフィロースと言う友人に会い、彼に鍵を貰い彼が滞在中の学校が持っていると言う近くのゲストハウスへ行く。
ゲストハウスと言ってもNSDが借りているであろう割に立派なセキュリティ付のマンションの一室で、かなり広い。
13日迄だったらフィロースが公演の演出助手をしている為滞在しているから居て良いよとの事。
勿論サヴィータの家でも構わないし、其処はアップトゥユー。と言われる。
下見を終え、改めてNSDへ。
サヴィータに学校を案内して貰う。
もう300席の劇場から野外舞台、ドレススタジオ、レッスンスタジオ、図書館から作業場迄ありとあらゆる施設が何部屋も有る。
かなりの敷地面積だ。
その後カレー掛けのスナックとチャイを頂き、外で皆は世間話。
彼らは暑くても平気で外で暑いチャイを飲みながら話す。
これもやっぱり陽気がカラッとしているからだろうな。
デリーではまだ余りWi-Fiを捕まえられておらず、
近くに有るかな?と聴くと皆一生懸命、電話迄して探してくれる。
インド人の性質として面倒臭い客引きもそうだが、多分良い意味でも悪い意味でもおせっかい。
というのは本当だった。
これが仕事の為の客引きなんかとは違う場合、時に物凄くチャーミングに映る。
街中を歩いていても「俺の友達だから」「や、俺の友達だ」「だって友達だろう」なんて声を掛けて来る。
交通整理のおっさん迄、まずは握手を求めて来る。
因みにこの信号は奥半分は横断歩道が有るけれど、手前半分は何も無い。
それでも渡る。其処に道があるから。
信号?何それ。
その後漸く公演の開場時間になった為向かうと、途中で止められてまだ何やら準備している様だ。
座ると大体の人が揃ったら余り開演時間等関係無いそぶりで公演は始まった。
夫妻から事前に聴いた内容はざっくり「ダークサイド・オブ・ムンバイ」。
所謂ボリウッド的な作品なのかと思ったがかなり現代劇だった。
公演は壁面を使った野外作品なのだけれど出鼻からスモークに包まれた白スーツにサングラスと言うらしい出立ちの男が、
取敢えず出ばな挫いとけ、とばかりにロケット花火を点火して走り去って行く。
またこの走り去って行く所が隠れて移動するのが見切れている所が愛らしい。
その後も兎に角怒濤の展開。
野外を良い事にオートリキシャ(三輪バイク)、バイク、車が猛スピードで通って行ったり(上演場所は狭いのに)、
屋上の屋根迄昇って行った挙句何かを叫びながら蛍光灯を頭で自分で叩き付けて割ったり(お笑い芸人さながら案外凄まじい破裂音と共に割れる)、
雨を降らしたり(降らしているホースも無論見切れているよ)、
極めつけは男の背中に引火して逃げ惑う男を数人で追掛けて行った(割に本火)。
此処迄やってくれるともうなんか清々しい。
只余りにボリューミーな為どうにも休憩が入った時まだ1時間20分しか経っていない事には驚いた。
芝居は3時間越えの大作。
これらは翌日に張られていた公演の写真。
こう見ると面白そうだな。
終演後には、ムンバイ警察の腐敗と(物凄い暴力でしばしば人を殺していた。勿論物語の中でなので本当は知らない)色々盛沢山な内容の為、もう良く判らない思いで一杯になった。
俳優も25-30歳位との事だったが皆力強いし、所謂ボリウッド的なダンスも有ったがあくまで現代劇で、講師が演出らしいけれど全然学生公演の感じはしなかった。
まあこちらの演劇事情は良く知らないけれど。
所謂伝統芸能作品で無い形の、こんな作品を初日から観れる事に感謝。
(というかこの時点でまだ初日なのか、という感じ。もう3日目位の感覚だ。)
そういえば7-8年前に何故か呼ばれてインドの演出家ラタン・ティヤム氏のWSを受けていたのだが、こちらに来るとNSDの人達は皆知っていた。
本当にラタン大物だった様だ。
当時は半裸で意味も判らず伝統インド芝居的な事を沢山させられたが、こんな所で会話のタネになった。
有難うラタン。
その後食事に皆で行く。
基本的にサヴィータ達はベジタリアンなので、肉は食わない。
あくまでサラッとしたものが多かったが、此処へ来て初めてインドライス的な物でダールカレーなんかを食べた。
3種類位のカレーがあったけれどダールがどう違うのか、味は違うけど細かい事は判らない。
そしてライスはこちらの店では基本作り置きで冷ましている物らしい。
いずれにせよサラッとしていて美味しかったけれども。
店の外観のみ逆さのまま雑に。
その後ゲストハウスに戻り、これを漸く書き始めるも一日目の怒濤の疲れがやって来てあっという間にシャワーを浴びると眠くなった。
部屋はシングルがくっついたダブルベッドの様になっていたので隅で寝た。
未明に仕事を終えたフィロースが戻って来たが、余りリアクションを取る余裕も無く寝てしまう。
さっき知合ったインド人と同じベッドに横になり寝る。
そもそもサヴィータもほぼ知らない位の間柄だったので、これもまたよっぽどの機会だ。
どんな展開でもおおらかに行く事にするよ。
そんな一日目はこうして幕を閉じる。
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