- April 14, 2013
4/11 Delhi/India Day1
やがて空港のゲートの外へ。まだ夜中(というよりは未明)というのも有り、思っていた程の暑さは無い。
只、この時間でも人はそれなりに多い。
出た途端子供が群がり金を無心するなんて光景は無かったけれども。
で、まずはメトロに向かおうとする。
タクシー抑えれば、とサヴィータに言われていた物の、
こういう時には住所のみを頼りに非常にローカルな行き方で行きたくなる。
(そもそもざっくりした住所で、これを見せて説明出来る自身がこちらにも無い)
此処でやはりタクシーの客引が近付いて来る。
ははぁ成程御出でなすった。
メトロは何処だい?と聴けば、笑顔で案内をしてくれ入口迄連れて行ってくれる物の、
入口に立っているまた別の男が、此処からはチケットが居るよ、なんて言って来る。
まだ動いていない、とも。
さて何処迄信じた物か、まずは引返そうとすると客引は近付いて来て車で行かないかと声を掛けてくる。
手には観光ツアーのしおりを握りしめている。
無論断る。
どうにも一度空港の外に出てしまうと入れないので、生温い気温の中外のベンチへ。
度々声を掛けられるのも億劫なので、紛れる様にアジア人観光客の中に入るも、バスが来て彼らは団体で何処かへ行ってしまった。
其処へまた手が忍び寄る。
別の客引だ。
といっても彼は空港のスタッフだから安心してくれ、と言って来る。
彼は自分の持っているチャイを飲むか、なんて言って来て、
「何歳だ?ガールフレンドは居るのか?
俺は29歳だ、子供も2人居て、ガールフレンドは3人居るけどね、がはは。」
なんて言って握手を求め気さくに話し掛けて来る。
只メトロに関して聴いてみると、
「今日はメトロはやっていないんだ」等と平気で言って来る。
何か偉い人が来るからだとか言っていたか。何だよ偉い人て。
動いたとしても正午位だね、なんて言って来る。何情報だよ。
何処に行くんだい?と言われ、Akshardam(アクシャルダム)、と答えると、
アクシャルダムは寺しか無いよ、人は住んでいない、と言われる。
じゃあ何だよ、サヴィータは何神だ。
彼はひとしきり話した後脈が無いとみたのか、5-10分一寸離れて来るよ、と言い残し消える。
此処でまだコミュニケーションを取ろうと思っているのが強靭な所。
ともあれまたメトロに向かおうとこちらが歩くと、やはり入口でチケットを持った男に止められる。
其処から後ろには、さっき話していた空港スタッフもどきが気付けば再び近付いていて、
「ほら今日は動かないって言ったじゃん」と追討ちを掛ける。
この時点で一寸もう矛盾しているのだが、そんな人達に囲まれていると、何処か別の男性が近付いて来て、
お前ら何言ってんの、此処通れるだろ、ホラ行けよと送り出してくれ、メトロの入口に入る事が出来る。
何だろう此処迄の茶番は。
よくよく後で考えるとメトロはこの様なトークンと言うプラスチックのコインを使うのに、
門番である彼が持っていたのは何かの白い紙のチケットだ。
あれを何に使えば良いのだ。
ともあれ漸くメトロへ。
空港からニューデリー駅迄、エアポートエキスプレスに乗込む。
150ルピー。1時間以上空港快速に乗って300円程度。
ニューデリー駅迄着くと乗換になる。
切符売場は朝から酷い混み様。
ローカルのメトロに乗ると荷物も多いは人種も違うわで、流石に周囲からじろじろと見られる。
こちらは15ルピー程。途端に安くなる。
乗換も苦戦した。
一度降りて乗換えようと駅員に聴く。
駅員は調べた挙句に(此処重要。調べてはいるのだ)2番出口に乗ってと言うが、
来た電車に急いで乗ったらそれは元居た方面に戻る電車だった。
メトロを行ったり来たりしながら漸く目的地に着く。
途中派手な広告に目移りするが、どうにも向こうの男性と言うのは恰好付ける、
と言うのが最高に恰好良いという文化か、力の抜けたスターは余り見掛けない。
そして着いたアクシャルダムでも酷く悩まされる。道を聴くと「多分あっちだと思うよ」みたいな事を皆言って中々それが合っていない。
結果右往左往する。
そしてアクシャルダムの出口を出ても、逆に出てしまったらしく、
もう荒野かよ、みたいな所で途方に暮れる。
たまたま来た男性が示した方角は悪くなく近付けるも周りをウロウロする。
サヴィータの住所はざっくり訳すと、
S-2×× Pandav Nagar
地下鉄アクシャルダム駅の向かい
東デリー 〒×××××××
みたいな感じだ。
一寸嘘みたいな住所の書き方だ。日本の田舎の住所にあるなこんなの。
後で聴いたのだがNagarというのは、Colonyという意味だと知る、要は共同体というか、集落というか。
人に聴き何とかS-2××という数字で示されたざっくりした住所は建物にそれぞれ書いてあるという事を知りその番号を観ながら歩く。
やがて近付いて来て、遂に見付かったビル。
其処から出て来た秘宝みたいな婆様に此処にサヴィータは居るか?と聴くと上に居るよ、と言われる。
遂に来たか、と思い、上がるも、3階建てくらいのその建物の何処にサヴィータは居るのか何てまるで書いていない。
此処で更に10分弱悩む。
表札とか無いんだよ。出たとこ勝負だよ。
此処迄にもそれなりに有ったけど俄然ハードル高くないか。
最後にどうしようもないと思いノックした所で男性の声が。
サヴィータ居ますか?と聴くと出て来たのはサヴィータの主人とサヴィータ。
遂に目的地に着いた。
電話してくれれば良かったのに!と言うけれども基本的に公衆電話なんて見当たらなくなっていたので電話のしようも無かった。
ともあれ此処迄で丸一日位掛かっている。因みに日本からの直通便だとインド迄8時間30分程らしい。
水を頂き、話しながら土産を渡し、朝飯(ヨーグルトとスパイスの加えたソースなんかをチャパティ(パン)で挟んで食べた)を夫妻と俳優仲間と食べてまずは横になる。
日中は暑過ぎるので余り出歩かない方が良いとの事。
安心したからか一気に襲って来た眠気に任せて横になる。
痺れた頭の片隅に、遠くから響く民族音楽が染み渡り、いつの間にか眠っていた。
4/11後編へ。
次回 一日はこんなにも長い。まさかの舞台と、行きずりのインド人男性とのあらぬ夜。
- Newer: in India/No Rule in India
- Older: 卯月の旅立に訪れるささやかな謀反