- April 27, 2010
朝、近くを散歩する。
ブリュッセルは、ベルリンに較べると、見るからに治安が悪そうで、案の定余り治安は良くないそう。
少し歩くとすぐに繁華街というか観光地になるのだが、
最近観光に関する興味はとんと薄れているので、散歩程度の感覚でふらふらと。
インフォメーションで地図を貰ったり、劇場に寄って冊子を手に入れたり。
5月に開かれるクンステンフェスティバルの冊子が置いてあるのだが、製本されていて普通に本としてかなり良い物になっている。
欲しいと思わせる冊子って重要だ。
こっちは各々のフライヤーが全て撒かれているという日本とは違い、劇場が発行している冊子が情報源となるので重要。
こうすれば予算も削減出来るしそれぞれにお金を掛けれるし良いのだよな、等と考える。
諸々の資料を手にし、日玉家傍に有るネットが繋がるカフェへ。
人からの知らせで野田さんも案の定英国から帰国出来ない事を知る。
というかニュースになってる。
本来こっちに居る間に会いましょうかなんて言ってたけど、
今となっては会うどころか、お互い帰れない難民状態。
でも次第に動き出しているので、再びの急激な悪化にならない様願う。
カフェで隣の日本人の方と最初少し話をしたが、その後カフェに寄った日玉さんの知合と判明。
狭い世界というか、カフェが有名なのか。
彼等はこっちに住んでいるが昨日フライトで日本に6ヶ月仕事に行く予定も飛行機が飛ばず。
皆それぞれもがいているもののどうしようもない時は、それはのんびりするしか無い。
その後、家に戻って日玉さんの息子と娘、ノアとアイナとひらがなの書取の勉強。
まさかブリュッセルでまみむめも、やいゆえよ、と書くとは思わなかった。
彼等は人見知りもせず、日本語も巧いので、こっちも仏語の綴り等教えて貰う。
「これ、けっこーすっげぇ美味いね。」
等、結構ノアは斬新な日本語を使ったりしていたけど。
彼等は映画館に行くというので、こちらはkaaitheaterに明日のチケットを取りに行く。
そしてその足でトラムに乗り、南駅から電車でアントワープへ向う。
電車で各駅停車で行ってしまったので1時間位掛かった。
此処の駅は昔の建築と現代的なデザインの融合が素晴らしい。
アントワープへはブリュッセルからICという急行で40分位だが、案の定そんな事を忘れ急ぎ飛び乗った電車は各駅。
えらく時間を喰う。
1時間20分位掛かっただろうか。
着いたアントワープの駅は古い建築と現代的な建築の融合する一寸素敵な駅だった。
たまたま駅の中で見掛けたワッフル屋にてそういやベルギーってワッフルだよなと思い食べる。
2€位で、その場で焼いて暖かいものを渡してくれるのだけれど、凄く美味い。
ちょっと吃驚すると共に幸先が良いスタートを切れるなと思った矢先、そうでもなかった。
トラムに乗って行こうとトラムの乗場を探し待つもちっとも来ないのだ。
15−20分位経っただろうか。
目的地行きでないトラムばかり余りにも来るので、気になって人に聴くと、別の乗場だと言う。
嗚呼、それは来ないよ。
キャンセル待ちの為に早く来たのに、これでは意味が無い。
結局私がトラムに乗れたのは駅に着いて30分位経ってからだ。
そして漸くdesingelという劇場へ。
ヤスミン・ゴデールが完売になっていたのでキャンセル待ちを狙う。
だが劇場に着いた私にも受難はまだ立ちはだかる。
今回はダンスのフェスティバルの初日で、20時からジュリアン・ギベールという人のソロ作品が30分有り、
その後21時過ぎからヤスミン・ゴデールの[LoveFire]という壮絶な名前のデュオ作品が有る。
早目にボックスオフィスでウェイティングリストに名前を、と思って行ったら、
ヤスミン・ゴデール、火山灰の影響で来れずまさかの公演キャンセル。
待て待て、て事はウェブに乗っていた日程の上の横線は完売ではなくキャンセルって事だったのか?
ただ劇場のサイトにはキャンセルになったとは書いていない。
こっちのFireはどうにもならなかったのかいヤスミン。
ちょっと困るも、もう笑うしか無い。
バットシェバが日本で足止めを喰っていた、なんて話は聴いていたけど、まさか公演する側が来れないなんて想定外だった。
来れないものは仕様がない。
ふらふらと劇場の中を歩いていると、どうやら劇場はレジデンス施設にもなっているみたいで、
何だか入った場所が関係者用の食堂やらバーやら有る所だった。
其処で麦酒を呑みながら少し時間を潰し、仕方無い何も観ないよりは劇場も観れるし、とジュリアン・ギベールのチケットを買う。
2つ有る内の小さな方の劇場はシアタートラム位のサイズだ(どうもこのサイズの劇場は多い)。
作品は30分のソロなのだが、只でさえソロが苦手な私をしっかりと退屈させてくれる作品だった。
空間も、観客とも対峙出来ていない、セセコマシさが残る作品。
あーあもう、と思い終った時に今日はヤスミン・ゴデールが来れなくて済みません、フェスティバル・カフェに皆さん良かったらどうぞ、
という様な胸のアナウンスが流れたので言ってみると、其処にはヤスミンが!
‥居る筈も無く、ただ、フェスティバル初日の為か、レセプションが催されていて、飲物や食事が有って、当の[LoveFire]の映像が流れていた。
それを観ながら、パンやお寿司を頂くという何だか損したのだか得したのだか複雑な気分だったけれども、現金なもので少し機嫌は良くなった。
[LoveFire]はまた来るかもしれないので余り言わないが、作品は青山のダンストリエンナーレでやった作品の傾向をデュオにしている様な形だったが、
ラストの方で驚愕の状況が起こっていて、まるで急にコントを観ている様な気分になった。
なんだかレイザーラモンの様な人物が割って入って来てた。
凄いな[LoveFire]。
完全にレイザーラモンのイメージ一色にさせられた。
そして帰りに自動券売機の切符売場はどうやら銀行カード以外では買えず(何故だろう、非常に不便)、困って人に聴くと、
電車内で買えば良いんだよ、と言われた。
因みにこちらは基本改札等無い。
普段は何も持たずに乗ったら罰金なので、びくつきながらチケットが欲しいと車内で駅員に伝えるとにこやかに普通の金額を言われ助かった。
帰ってからも家に戻るトラムが二駅前で止まる等、散々な一日だった。
どうやらフランクフルトといい、ちょろっと行く地方都市に滅法弱い私らしい。
という訳でアントワープは、厄介な都市とワッフルのイメージ。
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