- July 29, 2015
【死刑執行中脱獄進行中】
全6都市24公演、無事終了致しました。
自分にとって大きな挑戦でしたし、それと含め大きな勉強と課題を貰った公演でも有りました。
数年掛かりで、最初からこの公演を上演する為に打合を続けて来た柳本さんには本当に長い事付き合って実現して頂いた事に大きな感謝です。
その後、それを実現する為に参加して頂いた出演者・スタッフ共々にも本当に色々な物を頂きました。
感謝を持って此処に。
本当に素晴らしいチームでした。
観逃された方も観た方も、3月にWOWOWで放送がありますので宜しければ是非。
そしてこの事にまつわる事の始まりを、いつかは書いておかねばと思っていたので。
多少はパンフレットにも書いてある事なのだけれど。
[死刑執行中脱獄進行中]この作品をやりたいと言い出したのは紛れも無い私で、そしてそんな物通る筈も無いと思っていたのも私。
2012年、銀河劇場で[エンロン]という作品に振付・出演で関わっていた際に、
何かやってみたらと、制作Sさんに銀河劇場Yさんを紹介して貰った事が話の発端。
其処から色々話した結果、何か原作物を、という話になり、其処でこの作品を挙げた。
この作品は、短編である事、そしてシチュエーションも限られているという所から上演がし易いという側面もあったけれど、
兎に角まぁ流石に荒木さんという事で、こちらとしては大真面目ながらもそのハードルの高さに夢見がちな案件であったのは事実で。
序盤からこの企画を考えた物の、流石に難しいだろう、との事で寝かせていた時期もあった。
そんな中、まずは一緒にと思っていたbonobosの蔡君に、この話をしていた所、集英社の版権の事業部の方を知っている、との事で、其処から話は広がった。
其処から兎に角まずは設計図とも言えるプロットを書いた。
そして所謂若手漫画家の持込みたいな気持ちで、ドキドキしながら劇場のYさんと集英社迄プロットを持って話に行った。
受付に行き、
Yさん「あの、打合で来たんですけど・・」
受付の方「(明るく)『暗殺教室』のお打ち合わせですかァ?」
Yさん「いや、あの、別で・・」
集英社。
なんて厚い壁だ。
受付の方に言われ、綺麗なオフィスで会議室に通されて、待つ。
通りすがりには、所謂編集と漫画家らしき人々が打合をしている。
これか。
これがあの、有名な持込み、か、と。
今やってるのも最早そういう事だよな、と思いながらも通る。
で、部屋について、坐って、待つ。
小さな頃に漫画家志望だった自分としては、これは凄く緊張すると共に高揚する時間だった。
以前漫画アシスタントを数回手伝わせて貰った事があったのだけれど、その時も似た様な高揚感があったのを覚えている。
漫画家から上がってきたラフに、消ゴムを掛けて、ベタを塗って、トーンを貼って。
手伝っていたのはそんな単純作業だけれども、漫画家というのは本当にその積重ねの中で、唯の紙の奥に3Dにも負けない世界を作ってしまう。
今回は、自分が持込んでいる。
勝手に新人漫画家みたいな妄想をしていると、やがて担当さんが来る。
事前にプロットは送っていたので、補足的にあれやこれやを話し、こういう作品を作りたい、という話をした。
その後勿論修正は入ったものの、大枠は最初に提出したプランで通った訳だ。
先日の公演がこうして終幕する迄に、こうして数年の流れがあった。
作る過程では兎に角難産だったし、出演者・スタッフがいなかったら成立し得なかった作品です。
結果自分自身としては非常に課題の見えた公演ではあるし、本当にこの作品に関わってくれた皆には感謝しか無い。
これは一生モノです。
そういった想いを込めて、冨士山アネット[DANCE HOLE]から始まる2016年に臨みます。
本年も有難う御座いました。
良いお年を。