- March 24, 2010
週末は桜の園とロトザザを観る。
両方とも無料で、試み、といった感じの作品だった。
桜の園は矢内原美邦演出で調布の庭園でやっていて、移動しながら観る作品で、
継目と継目がもっと上手くスムーズに行けばもっと良くなるんじゃないかと思って観ていたけれど、
ドラマトゥルクの長島さんの話を聴いて、試みをしてみるという事で納得がいった。
終わりに久しぶりに美邦さんと話をして楽しかった。
ロトザザは、前にやっていたエチケットという作品の話を聴いていて非常に興味があったのだけれど、
どっちかというとインスタレーションに近い。
まぁそもそもインスタレーションというのも曖昧な響きだと常々思うけれど。
内容は詳しく話すとネタバレなのでアレだが、要はつけたイヤフォンからああだこうだ指示が飛び、
それに合わせて動くと物語や関係が成立って行くというもの。
ただ5人の参加というのはちょっとノイジーで、状況を把握するのにも話を上手く進めるのも難しいなと感じた。
例えば決まった文章を言ってと指示が出されても、決まった文章が終った瞬間に喋るのか、その途中から同時通訳の様に話すのか、
その共通認識が取れていないと会話が噛み合わなかったりする。
その部分の共通認識を取るのは難しい。
内容をもう少し簡潔にしても良いのではないかとも思った。
いずれにせよ面白い試みであるのは間違いない。
桜の園で観に来ていたお客さんから冨士山アネットは野外とかやらないんですかと聴かれる。
外で公演をする所謂サイトスペシフィックなものは色々な制約や障害が有り中々厳しいのは現状だ。
長島さんとかとも、やはり野外でやるには頭をそもそも切替えないと、という話になった。
やってみたいとは思う物の、その場所を借景として120%引き出せる様な企画で無いと、屋外でやる意味は無いと思う。
やあ気持良いじゃない、というのは重々判るのだけれど、それだけでは上手く行かないので。
如何に劇場という場所が守られているのかを実感する。
諸々クリアになれば、そんな事をやってもみたいのだ。
そういえばなんとなく今回桜の園で配られた俯瞰の地図を見ていると、映画[ドッグヴィル]を思い起こさせた。
3部作と言って2部迄は出たが(主演が同じキャラクターなのに俳優が変わっているというのは別にして)、あれ3部はいつ出るのだろう。
と思って調べたらどうやら現在無期限延期らしい。
タイトルは[ドッグヴィル][マンダレイ]と来て[ワシントン]。
大分都会に来たのだが。