- October 1, 2009
アネットリハーサル。
有意義に色々話をし、個人個人の思い出を出し合うといった時間が続く。
少し時間を掛け過ぎた気もするが、必要な時間だ。
なんというか、結局人は記憶から行動にたぐり寄せる部分が有るので、
そこの行動をどうして来たかというのは非常に身体にリアリティを持たせる為に有効。
ただもう少しペースを早めなくてはならない。
PCの容量が一杯一杯。
もう直ぐにきゅう、と悲鳴を上げる。
どうにもいかんよ。
もう、すぐ時間が空くと街中を徘徊してしまう癖が有るのだが、お蔭で面白いものばかり観てしまう。
最近気になったのは[和風スナック 剣]である。
まぁ見た目は普通のスナックなのだが、貼紙で店の説明がしてある。これがまた凄い。
[介護でご苦労をなさっていらっしゃる方気軽に声をかけて下さい。]
ん?もうこの冒頭からして様子がおかしい。此処はスナックの筈だが?
[※ママは介護現場で28年の経験があります。楽しい介護が出来る様に一緒に考えましょう]
さて。どうしたものか。
※をつけられて、書かれている事は全くスナックのそれではない。
ちなみにこの米印のマークには赤字で丸で囲んである。
米印っていうのは注意書きだと思うのだが、その印に更に◯をつけるってのは、どういうつもりなのだろう。
そして客はまず、楽しい介護について考える事から始める様だ。
これはただの酔客には敷居が高い。
「最近どうお?床ずれとか。」「もっと小松菜は細かく刻んで食べ易い様にさせてあげなきゃ」
といった塩梅だろうか。
若しくは電動式介護ベッドのカタログなんかをつまみにウィスキーをぐびりとやるのか。
この時点で只でさえスナックなんて敷居が高いのに、更に一見さんお断りの風情が自動的に出来上がっている。
次に赤い下線を引いてあり、しっかりとこう書いてある。
[専門は認知症です]
何処に向かえば良いのだろう。何て言えば良いのだろう。
もうぐうの音も出ない。
その後には、電話番号と共に、
[×××−×××−×××× (夜間)PM7:00-12:00]
と書いてある。ええと、スナックというのは、夜間と断りを入れなくてはならないものだったろうか?
スナックに詳しく無いので判らないのだが。
なんだ、あの、その、救急病棟みたいな感じ?
にしては普通の時間帯だが。
しかし、客は認知症の介護に疲れた方だけなのだろうか?
そういった方々が、楽しい介護って何だろうね、とか、ウチではこうしてる、とか言い合いながら苦労を慰めるとかいう、
そういう、オフ会的な?感じなのだろうか。
正直、遊びでふらとは立入れない。
冷やかしなのかと罵られそうだ。
ただ酔いたいだけであっても。
言っておくが、見た目は至って普通の、何処にでも有りそうな地元のスナックで有る。
だが、貼紙1つだけなんだ、様子がおかしいのは。
和風とか、剣とか、言っている場合ではないんだ。
挑むべきは認知症なんだ。
皆、介護は楽しく。
そうあるべきだ。