- May 6, 2012
いつの間にやら[エンロン]東京公演が終わりツアーの合間のGWには日々[八]ツアーのリハーサルに邁進。
一息つく間もなく何か色々と続いている。
日々リハーサルをしていると、何か普段のよしなし事をないがしろにする傾向が有り、
ないがしろにするとどうなるかと言うと、こういった所に記録するのも只の行動記録に成り果てる。
そんな物は本来望んでいる物ではないので今回は何か違う事を書きたい。
この前、劇場に行く途中、地元で何やら人だかりが出来ていた。
昼下がり、道路に向かい何かを待つその姿と、ひっそりと人通りが無くなった大通りの片側車線に気を取られ、
何が来るのかと思わず脚を止めた矢先に白バイが通り掛り、蛇行運転をしながら何か先導をしていた。
気付けば道路は封鎖されている様子だ。
その後に白バイや車に囲まれて通る1台のマイクロバス。
その中に皆が手を振ったりカメラを撮ったりしている。
目の前を通ってそれが初めて両陛下だという事に気付く。
マイクロバスなんかで通るとは思っていなかったので面食らっているとそのままサラリと彼らは通り過ぎて行った。
成程。パレードでもないのに道路を封鎖出来るのも納得だ。
そして考えてみたら生で初めて見た。しかも至近距離。
何だか、予想もしていなかっただけに驚いた。
劇場に普段行って芸能人と呼ばれる様な人と仕事をしているが、まるで予想外の相手に何だか不思議な気持ちになった。
そしてその日の昼夜公演の合間、何気なくネットを見ると、「天皇陛下、土葬から火葬を検討」との記事が載っていた。
見掛けたばかりの人が、火葬が日常的ではない人だったという事になる。
初対面、ましてや会ったばかりの方の死後の処理について思いを馳せた事も無かったので、これまた何だか不思議な気分に陥る。
そしてふともう二度と会う機会は現れないのかもしれないと思う。
これは両陛下だから、という意味合いだけでなく、普段何かと有ると思う。
共演者でも、「あ、多分二度と共演する事は無いだろうな」と思う人がいるのと同じで、
何か接点という物が無い限り中々再会をし難い人というのは居る。
身近な人だってそうだ。
親戚だって会わない人は延々と会わずに、再び会った時には遺体として向合って居る事だってままに有る。
こうして今外でこれを書いていて、今天草のグルメ雑誌を読んでいる隣の彼に再び会える可能性はほぼ無いだろう。
これを一期一会と呼んだりもするが、これは別段寂しい事では無い筈だ。
たまたま、そういう時期に居合わせただけ、と取る事も出来る。
そう思えば会う人会う人に新鮮さを保つ事が出来る筈なのだが、其処はそんなに簡単な物でもないのだ。
つまり我々は、普段会う人それぞれに対して、敬意を持ち、
相手の土葬の可能性への検討等についても思案すべきではないかと思うのだ。
違うか。